[開催報告] アラル海でのエコツーリズムの可能性についてセミナーを開催しました
公開日 2026年03月31日
2026年3月19日(木)に、本学会場とオンラインのハイブリッド形式で、研究セミナー「アラル海流域の生態環境とエコツーリズムの可能性」を開催いたしました。
このセミナーは、「エコツーリズムを含み、アラル海において持続可能な開発をどのように実現していくか」をテーマとし、鳥取大学?乾燥地研究センター及びJSPS科研費の共同研究と共催で行ったもので、CTR研究員の飯田特任教授(和歌山大学日本学教育研究センター)とその共同研究メンバーがそれぞれ発表を行いました。
まず、研究代表者である名古屋外国語大学の地田准教授は、アラル海での長年にわたる現地調査を踏まえて、アラル海のジオパーク認定に向けた経緯と展望について発表されました。 関係者の努力によりカザフスタン領のアラル海は再生され漁業資源の回復も達成されました。そして今、ジオパーク登録申請の動きがある中で、地元コミュニティ主体のエコツーリズムは、近隣国を含めた新たな努力の方向性になりうる、という提起は、関係者を勇気づけるものでした。
次に、カザフスタンから招へいしたコヌスバエフ動物学研究所?研究員は、アラル海沿岸における水産業による生計向上について、現状と今後の可能性を説明しました。
飯田特任教授は、NGOを含む日本がアラル海関連で支援した実績を分析し、社会関係資本が重要であること、水資源管理における流域協議体の「小さな成功」体験やローカルコンテキスト重視は、地元コミュニティによる観光にも有用なことを明らかにしました。
東京大学大学院?博士課程の倉石さんは、ウズベキスタン独立後の1990年代に水資源管理で国際的にも活動した研究者に焦点をあて、現場での実践と研究を統合する試みの意義などを改めて紐解きました。
本セミナーには、研究者だけでなく、留学生を含む学生、国際機関や民間企業の方を含めて幅広く25名の方々に参加いただき、本件の関心の高さと、「観光」がマルチセクターであることを認識しました。参加者からは、「春休みで時間がある時なので自分の見聞を広めることができた、和歌山大生として得られた知見を今後に生かしたい」、「小アラル海に研究者と一般観光客がともに集う研修センターの設立構想は興味深い」などの意見や感想が寄せられました。


