交通まちづくりを研究する経済学部辻?本 勝久ゼミナールの3年生11名が、金沢市中心部を対象に、1)伝統的なまちなみにおける景観と調和した歩行空間づくり、2)商店街や公共交通のバリアフリー化、3)都心居住地区における歩行空間の安全性 の3点を調査しました。
主な結果は次の通りです。
伝統的なまちなみにおける景観と調和した歩行空間づくり
長町武家屋敷地区では、歴史ある街並みを守るため、標識やマンホールの色?デザインが統一されており、観光地としての雰囲気作りが徹底されていた。
交通安全面では、日中に許可車を除く車両の乗り入れ規制が実施されていた(写真)。
一方で、歩道と車道を分けるポールが少ないなど、観光客と車の安全な共存に向けた課題も発見できた。

商店街や公共交通のバリアフリー化
横安江商店街と、そこに乗り入れているコミュニティバスのバリアフリー化を調べた。
その結果、バリアフリー化はおおむね進展していると考えられたが、路上駐車の多さ(写真)や、視覚障害者誘導用ブロックの未整備、夜間の足元照明のなさなど、改善の余地もあった。
商店街にはベンチや伝言板などの「コミュニティ空間」が整備されており、市民や被災地をつなぐ温かい交流の場として機能していることも確認できた。

都心居住地区における歩行空間の安全性
芳斉地区では、自転車専用通行帯や夜間照明の設置など、歩行者優先の整備が進んでいた。
特に、車の速度を抑制するためにあえて道を狭く?屈折させる物理的な構造は安全確保に有効であると考えられた(写真)。
一方で、住宅街では路面のひび割れ等の破損が多く、転倒の危険があるほか、歩道幅の狭さから車や自転車と歩行者が近接する箇所も散見された。







